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2020年11月25日
無資格でやれる「経理サービス」の重要分野に「記帳代行サービス」がある。
99%を占める小規模事業者の企業会計(事業に掛る経理)は、今や「自動経理」で、素人が簡単に行え、経理事務も超簡単にパターン化されている。

すなわち、
スキャナーで領収書を自動読込して、無料インターネットバンキングで預金通帳の経理仕訳をPDF情報として自動取込みして、クラウド会計ソフトに自動送信すれば、経理帳簿(総勘定元帳)は自動的に出来上がり、経理証憑(領収書等)はPDFイメージで付番され後で検証可能な証拠書類として法律上も有効になる(電子帳簿保存法に従うこと)。

経理記帳作業については、小会社社長向けにそう説明して「自社処理」を促すのが良識ある税理士のアドバイスである。

しかし実態は少し違う。
何がどう違うか?

1.スキャナー処理作業
素人化しても、経理事務は人気がない。経理関係の仕事はいやな仕事なのである。
領収書の収集と整理は、経理担当の仕事としてのこる。実務としては結構に大変な作業なのである。だから信頼できる「経理パート」さんにその雑役をお任せするのが得策である。ただ「経理パート」さんには、人件費が掛かるが最低賃金法でも時給1000円を超す時代だし、余り安く経理事務員を使うと、雇用等で長続きしない。

2.信頼性
一番の問題は「経理」を扱うので、信頼性が問題である。なるべく現金は小口現金に留めて、クレカやデビットカードで決済して、常時に管理する現場経理の体制が望ましい。身内にこの単純経理をやってくれる人がいれば良いが、居ない場合が多い。経理をおろそかに適が得るとこの点がネックになり、会社資金が騙し取られるリスクが生じる。目の前にお金があれば通常は盗まれる(持っていかれる)と考えるのは当りまえ。会社のお金がなくなるのは管理不良な訳である。

以上2つの問題を解決するのは、
経理記帳代行業者に外注することである。
そうすれば自社経理はおカネ管理だけで済む。これは社長自らやっても良いし、奥様等に担当してもらってもよい。

このように「全自動会計」の自動経理が進んでも、記帳代行業は無資格者が行える需要の多い事業として残る。尤も領収書が世の中的にクレカやデビットカードに切り替われば、スキャナーで領収書を読み取る必要がなくなり、記帳代行の仕事は減る。しかしそれには社会での現金取引の習慣が無くなるのを待たねばならない。10年か20年は掛かるだろう。そのあとは、記帳代行業者としては、経理検査のノウハウの研修を積んで、新たな事業開拓をすれば良いであろう。経理検査も仕訳検査、決算検査と並んで、無資格でやれる分野である。税理士専管業務は実務上では税務署への届出だけである。税務相談も税理士専管となっているが、実際には素人が税務相談をやっても、誰もクレームを付けない。付け加えれば実務として、「事業としての税務相談」は相談料が無料になることが多く、事業として成り立たない。尤も多額の報酬を得て無資格の税務コンサルティングをやれば刑法に引っかかるが、プロのエセ税理士以外はそういうことはしないのであなたにはあまり関係ないことである。


2020年6月15日
「記帳代行ビジネス」に生残る「目」はあるか?

1.スキャナー自動経理
スキャナー連動のクラウド会計ソフトが「経理自動化」を劇的に推進した。
経理帳簿作業の省力化はどのようなプロセスで行われるかを診れば、記帳代行ビジネスが経理の自動化を越えて生残る途が分かる。

2.スキャナーの領収書自動読取り機能
スキャナーには領収書等を自動読込する機能があり、その処理速度は「逐一の仕訳入力作業」と比べると飛躍的に速い。7時間掛かっていた作業を幾ら遅くても1時間で終わらせてしまう。仕訳作業のロスタイムを含めても手入力の経理仕訳作業と暮部てスキャナーの自動経理の領収書自動読取りの操作に拠れば、1/5の時間で済む。それは凄い。でもスキャナー連動のクラウド会計ソフトを装備して慣れてしまえば、もうその「自動経理」は当り前のものとなる。

3.会計ソフトの自動帳簿作成機能
PDFイメージでスキャナー自動読取りされた領収書の経理仕訳は、クラウド会計ソフトに送信され、自動仕訳される。仕訳から帳簿を作る自動作業は、今に始まったことではない。古いコンピュータ会計の時代から、会計ソフトが担ってきた仕訳作業の省力化のおプロセスである。これも今更、解説するが憚られる程に業界に浸透したシステムで、「自動経理」も当たり前となっている。

4.クラウド会計ソフトによる「一元化帳簿」
クラウド会計ソフトのユビキタス機能(何時でも何処でも暗証番号で誰でも)はインターネットによって社長は出張先でもスマホで最新の経理情報を閲覧できる。経理帳簿の更新は例えば在宅勤務の経理担当がリモートワークで経理入力して行う。顧問税理は随時、経理検査をインターネットを通じて行うことができるし、税務申告代行もetaxシステムを使って適時に処理できる。

まるで経理は「全自動」のような錯覚を覚えるが、しかし、実はまだまだ手間の掛かる作業なのである。